機械設計エンジニアはつらい?
日本のモノづくりを支える「機械設計エンジニア」。一方で、仕事内容について「つらい」というイメージを持っている方もいるようです。ここでは、機械設計エンジニアの仕事がつらいと言われる理由と仕事の魅力について解説します。
機械設計エンジニアの仕事がつらいと言われる理由
納期に追われる
機械設計エンジニアの仕事は、長期間に渡るスケジュールの中で、プロジェクト毎に納期が細かく設定されています。
プロジェクト中に設計変更が発生した場合、もしくは、評価テストで不具合が確認された場合は、設計の手直しなどが発生しスケジュールが圧迫されます。遅れを取り戻すために、残業で対応せざるを得ないこともあるので、つらいと感じる人もいるかもしれません。
対策法としては、効率的な時間管理と優先順位の設定から見直してみることが挙げられます。また、進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて調整を行うことも重要です。
制約と安全責任の重圧
機械設計エンジニアは、さまざまな制約の中で作業を進めなければなりません。例えば、企画やコンセプト、コスト、使いやすさ、量産のしやすさ、安全性など様々な条件を踏まえて設計していきます。
これらの制約をクリアしながら、効率的で安全な設計を行うことは大きな挑戦です。さらに、製品の安全性にも高い責任を負います。安全基準を満たし、事故や故障を防ぐ設計が求められるため、プレッシャーは非常に大きいはずです。
ミスが許されない厳しい環境で働くため、綿密な計画とチーム内でのコミュニケーションが重要です。問題が発生することを想定して素早く対処するためのプロセスを確立し、常に新しい安全規格を学び続けることが求められます。
学習・インプットする専門知識が多い
機械設計エンジニアの多くは機械系学科で学んだ後に就職しますが、学生時代に学んだ内容は基礎知識にすぎず、実際に現場で業務に従事しながら学ばなければならないことが数多くあります。
設計ルール、CADなどツールの使用方法、規格・設計基準の理解など、その他にも覚える専門知識は無数にあるうえ、日々進化していくテクノロジーを追いかけ続ける必要もあります。日々の業務で忙しい中勉強時間が割けないなど、ストレスを感じる方もいるかもしれません。
少しでもストレスを軽くするためには、計画的な学習スケジュールを組むなど工夫が必要になります。毎日のルーティンに10分でもよいので学習時間や実務の中で学んだことの復習時間を組み込むなど習慣作りも大切です。企業によっては、さらなるスキルアップができるようにeラーニングなどの研修体制を整えているところもあるので、転職活動時にぜひ注目してみてください。
機械設計エンジニアという仕事の魅力
ここまでは、機械設計エンジニアになった時に「つらい」と感じる理由を紹介してきました。 しかし、この仕事には難しさや責任がある反面、やりがいや楽しさ、成長といった素晴らしい面もたくさんあります。ここからは、機械設計エンジニアの魅力について解説していきます。
モノづくりの喜び
機械設計エンジニアの仕事は単独で行うものではなく、周囲のチームメンバーと協力しながら開発を進めていきます。特にチームで協力して製品を完成させていくプロセスは、大きな達成感と充実感をもたらします。自分のアイデアが形になり、実際に動く製品として世に出る瞬間は、格別の喜びでしょう。
自身が手掛けた製品が世に出回る
自分が設計した製品が市場に出て多くの人々に使われることは、大きなやりがいとなります。製品が消費者から高く評価されると、その努力が報われたと感じられることでしょう。自分の仕事が社会に貢献していることを実感できるのは、大きなモチベーションとなるはずです。
需要が高く将来性がある
機械設計エンジニアは、日本のモノづくりを長い間支えてきました。AIなどの進化により自動化される作業もありますが、チーム内の連携など人間にしかできない作業も多いため、今後も需要の高い職業といえるでしょう。
また、高い需要に比例して、平均年収は全国平均606.2万円(※)と別職種の産業平均と比べても高い傾向です。機械工学の知識やCADのスキルが求められる「専門職」であることも、需要の高さに繋がっています。
一方で、高度経済成長期やバブル期に採用されたエンジニアが定年退職を迎えているものの、若手が育っていない、四力学などの専門知識が求められ、誰でも簡単になれる職業ではないことから「人材不足」に陥っているため、実務未経験でも需要が高くなっています。
インタビュー!現役機械設計エンジニアが感じる仕事の魅力とは?
現在活躍している機械設計エンジニアの方々に、機械設計エンジニアとして活躍するまでに歩んできた道のりを伺いました。「自動車業界の分野でスキルを極めたい!」と最初はコピー取りから始まり、大手自動車メーカーで活躍するようになった機械設計エンジニアさんや、元・現場監督という全くの異業種から機械設計エンジニアになった方など、様々なルートを経験してきた方々にお話を伺っていますので、ぜひ参考にしてみてください。